「私だ」
「そちらはどうだね? ……ふむ、そうか。ならいい」
「ああ、順調……とはいかないが、成果はそれなりといったところか。
うん? ははは、そうだな。魅力的な女性ばかりで目移りしてしまうよ。
何年ぶりかに懐かしい顔にも会った。……君は知らないか。
……ところで、本題だが」
「蜻蛉の準備を頼みたい。二匹だ」
「なにを言っている? つまらない心配はしなくていい」
「いや、まだだ。そのときが来たら私から連絡する。それまでは待機しているように」
「……そうだ」
「できれば使うことなく終わってくれることを願うよ」
「用件は以上だ。早急に進めてくれ。頼んだよ」
「……ふう」
「……さて、一眠りするか」